母のお見舞いに
今日は、実家の母のお見舞いに行ってきました。
4月末に、院内でコロナ患者が出たため面会中止になっていたのですが
6月から解除され、久しぶりの面会です。
今年89歳になる母は、認知症のため私のことは誰だか解ってないと思います。
毎回、母の思いつくまま話す事に相槌を打っているだけなのですが、
それだけでも嬉しそうな様子なので、
自己満足かもしれませんが、お見舞いに行って良かったなあと思います。
3人兄妹の末っ子に生まれた私は子供の頃、母がとても苦手でした。
その頃の母の記憶は、
リウマチ気味の祖母の面倒を看ながら、自営業の父の仕事を手伝い
朝から晩まで働きづめで、いつも忙しくしていました。
家の中は、いつもピリピリしていて
居心地が悪かったことだけ覚えています。
母に叱られないようにと、顔色ばかり伺っているような子供でした。
そんな私でしたが、結婚して子供が生まれ、
主人の両親と祖父母との生活をしてみて
ようやく母の気持ちを理解できるようになりました。
私の場合は、外に出て働いているので
仕事中は家のことを忘れることができ、ちょっとした息抜きにもなりますが
自営業だった母は、仕事と家事をするのが当たり前で
休める時間は寝る時だけだったのではと思います。
祖母を看取り、仕事も後継者の叔父に任せ
ようやく気楽に過ごせるようになったのは、65歳を過ぎた頃だったと思います。
働きづめで趣味がなかった母は、
唯一、デパートに行くことが楽しみでした。
たまにですが、私も食事に付き合い
ついでに洋服や子供のおもちゃを買ってもらったりしました。
なかなか実家に帰ることが出来なかったので
ある時、母に「親孝行らしいことしてないね」と謝ったことがあります。
母は「私も忙しくて、ちゃんと見てあげることが出来なかったから気にしなくていいよ」と
笑いながら言ってくれました。
人生の大半が苦労の連続だったように思いますが、
後半は穏やかに過ごせていたと思います。
今は認知症になってしまいましたが、母の人生は幸せなものだったと思います。
昼咲き月見草
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